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zoom RSS 素朴な疑問(11) ラシュワンは本当に山下の右足を攻めなかったのか

<<   作成日時 : 2017/05/19 07:45   >>

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この素朴な疑問シリーズは実は「ガガーリンの言葉」と今日の話を
書きたくて始めたのですが,今日の山下・ラシュワン戦の話を
まとめる時間がなくて先延ばしになっていました。
今日は「ラシュワンは本当に山下の右足を攻めなかったのか」
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1984年のロサンゼルス・オリンピック。柔道無差別級決勝
日本の山下泰裕選手とエジプトのモハメド・ラシュワン選手との戦い。

山下選手は2回戦の試合中に右足ふくらはぎに肉離れを起こしました。
退場するときには足を引きずっています。

山下選手は,控室ならまだしも,人前で足を引きずってはいけない
と思っていたけど,そうも言ってられない状況だったそうです。

山下選手は準決勝も決勝も足を引きずって試合に臨みました。

準決勝の相手はフランスのデルコロンボ。
軸足の右足をかばいながらなんとか大内刈りと押さえ込みで辛勝。

決勝の相手はエジプトの巨漢ラシュワン。
125キロの山下選手より一回り大きく,体重は140キロあったそうです。

山下選手は足を引きずりラシュワンと相対峙しました。
結論から書くと,横四方固めで山下の一本勝ち
画像


そして,当時よく言われたのが
「ラシュワンは怪我をしている山下の右足を攻めなかった」

これは美談となり,道徳の教科書にも取り上げられました。

はたして,それは本当なのでしょうか?
金メダルがかかった試合で,相手の弱点を攻めないアスリートは
いるのでしょうか?
 

この動画では1回戦から表彰式までの様子を見ることができます。
決勝は,4分50秒あたりから。


おや? 
結果,空振りに終わりますがラシュワンはいきなり山下の右足を
攻めにいっています!


右足を攻めなかったというのは事実なのでしょうか?


先月,伊集院光さんのラジオ番組に山下泰裕さんがゲストで出演
されました。(今はラジコなどで後でも聞けて便利です。)
画像


そこで,伊集院さんは山下さんにラシュワン戦のことを聞くわけですが
山下さんは,「その質問はこれまでも,そしてこれからも一番聞かれる質問であろう」と言っていました。

彼の言葉に,真実が見えたような気がします。
以下は山下さんが話された言葉の再現です。
(一字一句というわけではありませんが・・・)
画像


表彰式が終わったら,彼は世界のマスコミに囲まれたらしいです。
そこで出てきた質問は・・・

「あなたの相手の日本人選手は,あんなに足を引きずっていたのに,
あなたがあの足を攻めていたら,あなたが山下に代わって表彰台の
いちばん高いところの立てたのではないですか?」

みんなどうも疑問に思っていたらしいんです。

それに対してラシュワンはこう答えた。

「私はアラブ人だ。アラブ人としての誇りがある。そして私は柔道家だ。
あの偉大な山下に対してそういう卑怯な戦いはできない」

彼が言ったのはそれだけなんです。

世界のマスコミはそれで腑に落ちて翌日大々的に報道したんです。

ラシュワンが金メダルに限りなく近いということで,エジプトの
スポーツ大臣やオリンピック委員長など関係者がみんな来ていた。
そこでラシュワンが力んでかけた技が空振りして勝手に倒れて
負けたわけですよ。

そしたらエジプトの関係者がみんな怒って
「あんな足を引きずっている選手に負けるはずがない。」

ラシュワンの指導者が日本人だったんです。
「同じ日本人だから負けるように指示したんだろう。許さん!」
すごい剣幕でみんな帰ったらしいです。

ところが現地で翌日,ラシュワンの戦い方がいかにフェアだったか
大々的に報道されている。

手のひらを返すように
「おー,ラシュワン,お前はアラブの誇りだ」って(笑)。

彼の中では卑怯な手を使わなくても絶対勝てるという自信があった。
ラシュワンの日本人指導者は試合の前にこう言ったそうです。

「山下は足を怪我しているから自分からは仕掛けられない。
だから最初の1分間は両脇をついて何もするな。
おまえが何もしなかったら,山下は何もできない。
必ずあせる。精神的に動揺をきたす。
1分経ったら思い切っていけ。お前の勝ちは決まっている」

ただ,ラシュワンは早く勝ちたかったんだよなあ。
その1分間が待てなくて,開始早々攻めに来て・・・



聞いていてとても楽しいインタビューでした。
(伊集院さんのインタビュー技術も素晴らしいし。)

結論はこのようです。

ラシュワンは勝負を急いでしまい,勝機を待てずに
自ら技をしかけ,倒れて押さえ込まれて負けた。

山下の怪我をしている右足を直接攻めた(かかった)技はなかった。
結果的に,怪我をしている右足を執拗に攻めることはなかった。


ということなのではないでしょうか。

もちろん日本人コーチ,本人ともに
「山下の右足を執拗に攻める」という考えはなかったようです。

ラシュワン選手が山下選手に敬意を払っていることがわかるシ−ン
動画にあります。

上の動画の7分50秒あたりの表彰式のシーン。

山下選手が表彰台に上るとき,
ラシュワンは山下の足を気遣って手を貸すのです。

この写真の花の陰に隠れているのがラシュワン。
画像



最後は山下さんの言葉です。
このラジオ番組ではこんなことも話されていました。
画像


どのような戦い方を展開しようとするのかは,その人がどういう人生を生きようとしているのかにつながる部分があるんじゃないかなと私は思うんです。

柔道,スポーツ,その中には人生の先行体験で,
人生の様々な修養(収容?)するものが凝縮されていると私は思うんですよ。



柔道やスポーツは人生の先行体験。

奥が深いなあ。


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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
この時代はまだ、本当の柔道をしていたのですね〜
ポイントで勝つだけの、オリンピック柔道を習ってる外国人の方は不幸だと感じます。
オリンピックの功罪ですね・・・
王子
2017/05/23 19:30
王子さん
おはようございます。体重別,色柔道着などもレスリング化しましたね。一本にこだわる柔道こそ嘉納治五郎が目指した柔道のような気がしますが。
リアルET
2017/05/24 06:19

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