クレショフ効果

前々回,「メラビアンの法則」で視覚情報について書きましたが,
今日は「クレショフ効果」という映像による実験結果です。

この映像効果は講演会の話からではなく,以前岡田斗司夫さんが
ネットラジオで話していて,いつか書こうと思っていた話です。

「クレショフ効果」(Kuleshov Effect)とはソビエト連邦時代のロシア
の映画作家・映画理論家のレフ・クレショフが示した映像効果。

全ロシア映画大学学内で1922年(大正11年)に実験によって示され
ました。

では実験してみましょう。

ここにひとりの男性がいます。
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どんな表情に見えますか? どちらかというと無表情です。

では・・・
この続きでこの男性を見たら,男性はどんな表情に見えますか?
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次は,この画像に続いて男性を見てください。
男性はどんなふうな思いなのでしょう?
画像



最後はこの画像です。男性の表情,どう見えますか?
画像


ちなみに,最後の女性はあれこれ迷いましたが,イタリア映画の
「にがい米」からとりました。

さて,実験の結果,みなさんは男性の表情について,
どう思いましたか?

3つとも同じ男性なのですが,それぞれ受ける印象が違いませんでしたか?

おそらく,こんなふうに感じたのではないでしょうか。
画像


「クレショフ効果」で検索すると,この男性がよく出てきます。
この男性はロシアの俳優イワン・モジューヒンで,クレショフは
この俳優のクローズアップのカットの前に,上のような3つの
異なる映像を置いたのです。

「クレショフ効果」とは,ひとつの映像が,映画的にモンタージュ
(編集)されることによって,その前後に位置するほかの映像の
意味に対して及ぼす,性質のこと
をいいます。

ある映像群は他の映像群に対して,相対的に意味をもちます。

観客にとって,映像はばらばらに単独で存在するわけではなく
つながりのなかで無意識に意味を解釈する,というのが「クレショフ効果」です。


日本映画では「火垂るの墓」の終盤,全てを失った清太の表情に
使われています。
画像


清太は人間性を失ったためか,無表情に描かれていますが,
見る側にとっては,話の流れから,それを「悲しみ」ととらえます。

悲しみを悲しみとして描くのではなく,それを観客に委ねる。
そこに高畑監督の真骨頂がありました。




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