山口県周南市徳山駅周辺の地名の謎

これまで今尾恵介さんの「ゆかいな珍名踏切」(朝日新書)から文字通りの珍名踏切についていくつか書きましたが,近くの図書館から今尾さんの他の著書を借りてみました。

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その中から著作「日本地図のたのしみ」にある,興味深い話。
(今では文庫本になっているようです。)

日本地図のたのしみ (ちくま文庫) - 恵介, 今尾
日本地図のたのしみ (ちくま文庫) - 恵介, 今尾

いきなりですが,クイズです。
「代々木」「新宿」「銀座」「晴海」と言ったら,どこの地名でしょう?


まあ,普通に考えたら,東京の地名ですね。
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ところが,今尾さんは山口県徳山市(現・周南市)の地図を見ていたら,「代々木通り」という名前を見つけます。

不思議に思って,徳山駅周辺の地図を眺めていると・・・
他にも「有楽町」「千代田町」「代々木公園」!?

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さらに,「銀座」!
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「晴海」!
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「新宿」「原宿」!
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これは偶然なのか!?

そこで,今尾さんは山口へ行く機会がった時に,徳山へ立ち寄ってみたそうです。
食堂のおじさんにこのことを尋ねてみると・・・
「東京に似てるって? こっちが先なんだよ」と自信たっぷり。

そんなはずはない,と今尾さん。
東京の銀座は江戸時代の銀貨鋳造所から来ているし,新宿は300年前の新しい宿。

徳山の市立図書館で調べてみると,戦災復興都市計画で新たに命名された町名であることがわかりました。

「徳山市史」によれば「新興徳山にふさわしい新町名,地番に変わった」のだそうです。

当時,どの旧町名を残すかで不公平にならないように,いっそ気分一新で東京の地名を借りようになったのではないか。


ここからは本には書いていないことですが,この徳山の地名の話題はけっこうネット上で書いている人がいます。

徳山は戦前,海軍の燃料補給基地であったために大規模な空襲にあいました。
古い街並みや宿場町は焼失。

復興事業の中で新しい町名が必要になります。
そこで町内会ごとに話し合い,役所と相談して決めたそうです。

ただ,やみくもに東京の地名を借りたのではなく・・・
江戸時代から「代々少路(だいだいしょうじ)」という通りがあったところは,その代々を残して「代々木通り」としました。

「岡田原」と「今宿」という旧地名については,旧今宿にできた新しいまちは,新しい宿で「新宿」,岡田原と今宿の間にできた新しいまちは原と宿をとって「原宿」にそれぞれ命名しました。

「原宿」などは合併時によくある合成地名なんですね。

ただ,「青山町」「桜木町」など,なぜその地名になったのかはわからない町名もあり,今尾さんが言うように心機一転,東京などの地名を借りたところもあるのかもしれませんね。




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この記事へのコメント

2020年02月05日 09:22
おはようございます。

 これだけ類似している地名が有りますと、そりゃあ注目されますよね。
 ただ、「新宿」-「しんじゅく」・「にいじゅく」は各地に多くある地名ですが…
2020年02月07日 00:12
あきあかねさん
こんばんは。
ここまで同じ地名があるともう意図的としか考えられなくなります。山口県は歴史的によその土地には無関心のような気がしてたんですが。
こう考えると,地名とは単なる効率を追求する記号名のか,歴史をとどめておくためのものなのか,よくわからなくなります。