生ましめんかな

今日は東日本大震災から9年目の日
本来ならば慰霊の式典などが行われるところですが,コロナウィルスの影響で中止や簡略化されるようです。

今年中学を卒業する生徒は,小学校入学のときがまさに震災の直後の混乱の中でした。
間借り校舎で行われたりと,きちんとした入学式も行われなかった生徒もいます。

そして義務教育最後の中学校の卒業式もコロナの影響で縮小,簡略化
たいていは保護者出席がないまま行われたり,これから行われます。

人間,いちばん大切にしないといけないのが命。

今日は現在中3の国語の教科書に載っている詩を書きます。
 

生ましめんかな

          栗原貞子

こわれたビルディングの地下室の夜だった。
原子爆弾の負傷者たちは
ローソク1本ない暗い地下室を
うずめて、いっぱいだった。
生ぐさい血の匂い、死臭。
汗くさい人いきれ、うめきごえ
その中から不思議な声が聞こえて来た。
「赤ん坊が生まれる」と言うのだ。
この地獄の底のような地下室で
今、若い女が産気づいているのだ。
マッチ1本ないくらがりで
どうしたらいいのだろう
人々は自分の痛みを忘れて気づかった。
と、「私が産婆です。私が生ませましょう」
と言ったのは
さっきまでうめいていた重傷者だ。
かくてくらがりの地獄の底で
新しい生命は生まれた。
かくてあかつきを待たず産婆は血まみれのまま死んだ。
生ましめんかな
生ましめんかな
己が命捨つとも



栗原貞子さんは広島県広島市生まれ。
3kuriharasadako.jpg

可部高等女学校在学中の17歳から,短歌・詩を中心に創作活動を始めました。
1990年第3回谷本清平和賞受賞。
2005年広島市内の自宅で92歳で亡くなりました。

これは2013年に広島を訪れたときに撮った写真。
3hiroshima2013.jpg

栗原さんは広島市千田町の貯金支局庁舎の地下室で新しい生命が生まれたという出来事を伝え聞いて,この詩を書きあげたそうです。

実際は詩の中では産婆は亡くなりますが,モデルとなった産婆も妊婦と子どもも,命を取り留めたそうです。

原爆,そして戦争を描いた詩として今でも読み継がれています。

こちらは朗読です。




戦争,自然災害,病気,人間にはいろいろなものが襲ってきます。

生きていること,いただいた命に感謝し,生きていきます。
(と,ときどきは考えないといけないですね。)






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この記事へのコメント

2020年03月11日 16:24
朗読を聞きました(._.)
涙もろいみなとは、大泣き。。でした(/ω\)
2020年03月12日 06:18
みなとさん
おはようございます。
詩を読んでくださり,そして聞いてくださりありがとうございます。
震災も原爆もコロナも命について考えさせてくれます。
昨日は2時46分に慰霊碑に手を合わせました。晴れているのに時雨のような小雨が降ったかと思うと,振り返ると虹が出ていて驚きました。
2020年03月12日 09:06
おはようございます。

 テレビで見たのですが、鎮魂の風船を飛ばした空に虹が架かっていましたね。あれでぐっと来てしまいました。。。
2020年03月14日 08:11
あきあかねさん
おはようございます。
こちらへの返事,遅くなりました。すみません。
11日は慰霊碑に前でかつての同僚らとも再会しました。亡くなった人のことを思い,そして生きている私たちの今を確認する日になっています。
式典はなくてもこういう集まりのほうが大事に感じます。