Haiku in English on Sunday (411) 飛石のごとくに蓮の浮葉かな

日曜日は俳句の紹介と英訳。
現在は郡市によっては感染対策の一定の基準を満たせば部活動の練習試合が可能です。
昨日は福島県との県境のある中学校に練習試合に行ってきました。

その帰り道には蓮池があります。
蓮はインド原産の多年草。仏教では極楽に咲くとされます。

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中には蓮の花が咲いているところもありました。
「蓮の花」は夏の季語で,他にも「はちす」「白蓮」「紅蓮」「蓮華」も傍題として歳時記に載っています。

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また,「蓮の浮葉」「蓮の葉」も夏の季語です。
蓮の若葉は薄緑の丸い葉を水面に貼りつくように浮かべます。

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「蓮の浮葉」は「枕草子」の「うつくしきもの」の段にも出てきます。

枕草子 上 (ちくま学芸文庫) - 少納言, 清, 裕子, 島内
枕草子 上 (ちくま学芸文庫) - 少納言, 清, 裕子, 島内

うつくしきもの。瓜にかぎたるちごの顔。すずめの子の,ねず鳴きするに踊り来る。
(略)
雛の調度。蓮の浮葉のいとちひさきを,池より取りあげたる。葵のいとちひさき。なにもなにも,ちひさきものはみなうつくし。(以下略)


清少納言は蓮の浮葉のうちでも,小さいものにかわいらしさを見つけたようです。


飛石のごとくに蓮の浮葉かな  檜 紀代
(とびいしのごとくにはすのふきはかな)

「俳句歳時記 第三版」(角川書店編)より。

檜紀代氏は昭和12年東京都生まれ。昭和42年鷹羽狩行に師事。昭和54年「狩」同人。
昭和56年,第1句集「呼子石」で第5回俳人協会新人賞受賞。
昭和59年第2句集「星しるべ」で第五回狩評論賞受賞。
(今日の句が所収されている句集の名前はわかりませんでした。)

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蓮の葉は,浮葉というくらいですから,水面に浮かぶように点在しています。
作者はそれを飛石に例えました。

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この発想は新しいことではなく,すでに江戸時代に蕪村がこんな句を残しています。

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飛石も三つ四つ蓮のうき葉哉  与謝蕪村
(とびいしもみつよつはすのうきはかな)

3つか4つというのですから,きっと小ぢんまりした小さめの蓮池でしょう。
蕪村の句の命は「三つ四つ」という数。

蕪村が蓮の葉を「飛石」となかば断定しているのに対して,今日の檜氏の句の命は「ごとく」。

もしかしたら本当に飛石のように池の上を渡っていけるんじゃないかと一瞬思ったのでしょう(笑)。
比喩は俳句の基本であり,常套でもありますが,そこに何を持ってくるかが作者のセンスの見せ所でしょう。


では,英訳してみます。

飛石のごとくに蓮の浮葉かな  檜 紀代

Lotus leaves
Are floating in the pond
Just like stepping stones



今日の一句には実は動詞がありません。
「浮葉」を「葉が浮いている」と主語・動詞のように訳しました。


最後に「飛石」というと,昔々のテレビ番組,風雲たけし城の竜神池を思い出します。

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あの番組のように,蓮の浮葉も飛び跳ねていけたら楽しいですね。





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この記事へのコメント

2020年07月05日 09:49
おはようございます。

 南米原産の「オオオニバス」なら、子供くらいだったら乗れそうですけどね。私は絶対ムリだな(笑)。
2020年07月07日 01:42
あきあかねさん
こんばんは。
オオオニバス,子どものころ図鑑か何かで写真を見て,のってみたいなあと思ったものです。
蓮には不思議な魅力がありますね。飛石できると思うのも無理はありません。