Haiku in English on Sunday (412) 美しい数式になるみずすまし

日曜日は俳句の紹介と英訳。
前々回,数学の「xの2乗」について書きましたが,「数式」という言葉を用いた数学的な俳句もあります。

美しい数式になるみずすまし  中山 美樹
(うつくしいすうしきになるみずすまし)

中山美樹氏は1947年新潟生まれ。1990年紫の会入会。1995年「紫」新鋭賞受賞。1997年「紫」山紫賞受賞。2000年「紫」作品賞受賞。
句集「おいで! 凩」所収。
(このシリーズ最多の池田澄子さんが帯を書いている!)

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この句の季語はもちろん「みずすまし」ですが,ここで1つ問題があります。

俳句では「みずすまし」は「あめんぼ」のことを指す場合があるのです(笑)。

通常,ミズスマシ(水澄)と言えばゲンゴロウを小さくしたような昆虫。
池や沼の水面を目まぐるしく旋回するので「鼓虫」(まいまい)とも呼ばれます。

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一方,アメンボ(水馬)は三対の長い脚で水面をすべるように軽快に走り回る昆虫。
飴のような甘い匂いがあることから,この名前が付きました。

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生物学的にはミズスマシとアメンボは全く別の生き物ですが,地方によって,特に関西ではアメンボをミズスマシと呼ぶことがあるそうです。

ですから,歳時記でも「みずすまし」(みづすまし)は「鼓虫」と「水馬」の両方に出てくるのです。

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作者は小さな昆虫が描く航跡を「美しい数式」に例えています。

もしこれが鼓虫のことなら,きっときれいな円周を求める式のことでしょう。

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そして,水馬(アメンボ)のことなら,おそらくは複雑な式で表される無軌道や微積分のグラフのようなこんな軌道でしょうか
(私はルートとか三角関数とか,得意ではありません・・・)

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今日の俳人の中山美樹さんは新潟の生まれなので,一般的なミズスマシ(鼓虫)のことを詠んだとして,美しい数式とはきれいな円を描く式だとしてみます。

では,英訳してみます。

美しい数式になるみずすまし  中山美樹

A whirligig beetle
Is making a circle with
A beautiful numerical formula!



ちなみに,これが水馬(アメンボ)だと・・・

A water strider
Is making a line with
A beautiful numerical formula!



これもまた味わい深いと思います。




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