Haiku in English on Sunday (416) マリが住む地球に原爆などあるな

日曜日は俳句の紹介と英訳。
今日は奇しくも長崎原爆投下の日と日曜日が重なりました。

長崎にはこれまで2度訪れたことがあります。
2014年に家族で行ったときは山王神社の近くに宿をとりました。

山王神社は爆心地から800~900メートルの高台にあり,これは朝の散歩途中で撮った鳥居。

9nagasaki.jpg

この鳥居は一本柱鳥居と呼ばれ,原爆の爆風で残った半分だけが今でも残されています。
こちらは被爆直後の鳥居。

9nagasaki1.jpg

このときのことは過去記事で。

→ 長崎物語(4) 山王神社の一本柱鳥居と楠

原爆の非人道的な惨状については書くまでもありません。
もちろん今日は原爆について詠んだ一句です。

マリが住む地球に原爆などあるな  渡辺 白泉
(マリがすむちきゅうにげんばくなどあるな)

渡辺白泉の句について書くのは3度目でしょう。

渡辺白泉.jpg

前回も「戦争」を詠んだ,あまりにも有名な一句について書きました。
作者とその句については過去記事で。

→ 戦争が廊下の奥に立つてゐた

今日の句は「現代俳句の鑑賞事典」より。
現代俳句の鑑賞事典 - 杏子, 黒田, 喜代子, 宇多
現代俳句の鑑賞事典 - 杏子, 黒田, 喜代子, 宇多


今日の句はストレートな句なのであらためて意味を考察することはいらないと思うのですが,ただ1つ気になるのは「マリ」って誰? とういうこと。

もちろん,そういう推察は不要で,文字だけで伝えたり読み取るのが文学の本質です。
読み取るとすればカタカナの「マリ」という名前からは次世代の少女のイメージを感じ取ることができます。

広島と長崎には原爆が投下されました。
でも,これからの世代が住んでいく地球には原爆などいらないのだ

ただ・・・
この句には前書があります。

「わが敬愛する人の長女十二歳誕生日」

「敬愛する人」が師なのか,西東三鬼のような先輩俳人なのか,誰かはわかりませんが,その娘さんはもうすぐ中学生。

12歳の誕生日を迎えた少女がケーキのろうそくを吹き消すイメージは,この句をぐっと日常的な身近なものにしています。

でも,この前書がなくても,この句が持つ力は変わりません。
むしろ何も知らずに「マリ」って誰だろう? と考えた方が,マリが世界中の女の子に思えてくるので,個人的には前書がないほうがいいです。


では,英訳してみます。

マリが住む地球に原爆などあるな  渡辺 白泉

No more A-bombs
On the Earth where
Mari is living



「住む」 live は通常,進行形にしないのですが,強調の意味で進行形にしました。





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