Haiku in English on Sunday (426) 漬物桶に塩ふれと母は産んだか

日曜日は俳句の紹介と英訳。
前々回,タモリさんや萩本欽一さんの「仕事」に対する考え方について書きました。
ショービジネスの世界ではチャンスをつかめる人はごくわずかだと思います。

仕事についてこんな一句があります。
自由律俳句の代表のような尾崎放哉の句で,彼の句はおそらく3度目です。

尾崎放哉.jpg

漬物桶に塩ふれと母は産んだか  尾崎 放哉
(つけものおけにしおふれとはははうんだか)


「現代俳句 上」(ちくま学芸文庫)より。

現代俳句〈上〉名句と秀句のすべて (ちくま学芸文庫) - 川名 大
現代俳句〈上〉名句と秀句のすべて (ちくま学芸文庫) - 川名 大

尾崎放哉は東大法学部を卒業したエリート中のエリート
保険会社の支配人になりすが,飲酒癖にて退職。

妻と別れて様々なお寺を転々とし,小豆島南郷庵で独居孤独の生を終えます。

俳句については学生時代は有季定型の俳句を作り「ホトトギス」に投句していましたが,荻原井泉水に師事し自由律に転じました。

今日の句は兵庫県須磨寺の堂守として住んでいた時の作品。
(彼は生前は句集を残していません。)

上記の本によれば,須磨寺の前は京都の知恩院の寺男となり,漬物桶を洗っていた経験を詠んだのではないかと推測しています。

東大卒のエリート会社員だった自分が,今は漬物桶に塩を振るようなことをしている。
母親は放浪の人生を生きよと私を産んだのだろうか?


結局,私の人生は私が選んだもの。激しい自嘲が彼を襲います。


では,英訳してみます。

漬物桶に塩ふれと母は産んだか  尾崎 放哉

Did my mother bear me
To say "Put salt into
The tub of pickles"?



どんな仕事にも意味があります。でも,人間は単純作業の仕事に寂しさを感じるのでしょう。

母親としては元気で生きていてくれればいちばんだと思うのですが,放哉はエリートゆえ,子としてはそれではいけなかったのでしょう。




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