言わずもがな(1) マスオさん

最近読んだ本から。
中公文庫「日本語びいき」(清水由美文,ヨシタケシンスケ絵)です。
日本語びいき (中公文庫)
日本語びいき (中公文庫)

作者の清水由美さんは日本語教師。国語教師ではありません。
教える相手は外国人,つまり日本語を母語としない人です。

じゃあ,日本語教師は日本語が話せればできるのかというと,そうではなく,「ら抜き言葉」が成立する動詞とは? たった1つの「ナ行五段活用」の動詞とは? 形容詞と形容動詞はどちらが多い? などなど日本語のの学習者から質問されたときに論理的に説明できる力が必要とされます。

楽しい日本語の話が書いてありますが,辞書には通常載っていないけど日常生活では使っている日本語については,説明できなければいけません。

例えば,授業のテキストのこんな会話。(私が勝手に考えた会話)

「ちょっと遅いけど,これから,君の家に行っていいかい?」
「ぼく,マスオさんだから,勝手には決められないなあ」



何も知らない外国人なら先生に質問しそうです。
「先生! 自分に『さん』をつけるのはおかしいです!
どうしてこの人は自分で決められないんですか?」


もちろん辞書を引いても「マスオ」「マスオさん」は載っていません。

マスオさんとは国民的アニメ「サザエさん」の主人公の夫であり,息子のタラちゃんとともに,サザエさんの両親の家に同居している,という知識がないとこの言葉を理解したことにはなりませんね。

masuo.jpg

日本語を教えるということは,辞書にはない「言わずもがな」のことも教えなければいけないんですね。
まあ,英語もどの言語もそうですが。



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