Haiku in English on Sunday (377) ラグビーの頬傷ほてる海見ては

日曜日は俳句の紹介と英訳。
前回,ラグビーの用語「ノーサイド」について書きましたが,どうもこの言葉は今では日本にのみ残る言葉のようです。

気になったのでイギリスのヤフー(Yahoo UK)で検索したら,こんなQ&Aが見つかりました。

Why do they call the end no side in rugby?
(ラグビーではなぜ試合終了を no side と呼ぶの?)

There is no such term in rugby. You may be thinking of the try line, the line at each end of the pitch on where the goalposts are erected.
(ラグビーにそのような用語はないですよ。あなたは,ゴールポストが立てられている最終ラインの,トライの線のことを言っているのではないですか。)


この答えている人は「ノーサイド」なんて言葉はラグビー用語にはないと言っています。前回でも書いたようにラグビー発祥の地イギリスでも試合終了を表す「ノーサイド」は「時代遅れ」「古風」とされているようです。

どうも,試合が終われば敵も味方もないという「ノーサイド」は日本人が生んだセンチメンタルな意味なのではないかという気がしてきます。今回のワールドカップで準優勝のメダルをイングランドの選手が拒否したニュースからも,そのような精神はイングランドにはないようです。

7fulltime1.jpg

「ラグビー」は冬の季語として新興俳句でよく詠まれるようになりました。
昭和10年前後に,たくさんのラグビー俳句が作られました。
最も有名なのがこの一句。

ラガー等のそのかちうたのみぢかけれ  横山白虹

この句については,過去記事で → こちら

他にも・・・

ラグビーのジャケツちぎれて闘へる  山口誓子

ラガー等の胴体重なり合へば冬  渡辺白泉


前置きが長くなりました。今日の一句です。

ラグビーの頬傷ほてる海見ては  寺山 修司
(ラグビーのほおきずほてるうみみては)

寺山修司の句を取り上げるのはおそらく10度目。
寺山修司.jpg

句集「われに五月を」などに収められています。
初出は「牧羊神」第6号(昭和29年)。

寺山修司は高校時代から多くの優れた青春俳句を残しました。

寺山自身がラグビーをしていたかは疑問ですが,この句の主人公は高校のラグビー部員でしょう。

激しい練習か試合が終わって,海が見える小高い丘に登った。
そこから見える景色と潮風が疲れた体を癒してくれます。

頬についた擦り傷がヒリヒリ痛みますが,それこそ高校生にとっては生きてる証なのではないでしょうか。
まさに青春の1ページ。
寺山修司高校生.jpg


では,英訳してみます。

ラグビーの頬傷ほてる海見ては  寺山 修司

A scratch
On my cheek by rugby hurts
Seeing the sea



個人的には下七を流すのは好きではありませんが,寺山修司の青春俳句は今でも斬新です。





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この記事へのコメント

2019年11月10日 22:47
子供のころ、寺山修司氏の
ラジオ番組を銀のしずく・?だったかしら?必ず聞いていました。
少し訛った東北弁の声を今も想い出します。
才能のある方の夭逝は、残念でした( ;∀;)
2019年11月11日 07:07
みなとさん
おはようございます。
寺山修司がラジオ! 知りませんでした。
私にとってはタモリさんの寺山修司の物まねから知ったような気がします。
青森県立美術館に行ったときに寺山修司コーナーがとても興味深かったです。