Haiku in English on Sunday (430) 落葉無心に降るやチエホフ読む窓に
日曜日は俳句の紹介と英訳。
仙台市泉区古内に賀茂(かも)神社という神社があります。
これは先週の賀茂神社の鳥居。

真っ赤になった楓の葉がきれいです。

これは昨日の別の通り。歩道や路上には落葉が積もっています。

季語で言えば,「紅葉」は秋の季語。「落葉」は冬の季語です。
落葉無心に降るやチエホフ読む窓に 藤沢 周平
(おちばむしんにふるやチエホフよむまどに)
藤沢周平(1927-1997)は山形県鶴岡市出身の小説家。

小説家になる前は療養生活の中,北邨という俳号で句作しました。
今日の句は坪内稔典著「俳句いまむかし」より。

俳句いまむかし - 坪内 稔典
私は藤沢さんの小説の熱心な読者ではありませんが,「橋ものがたり」の中の「約束」という短編が好きです。

橋ものがたり 新装版 - 藤沢 周平
藤沢さんは戦後,山形師範学校を卒業し,山形県内の中学校で国語と社会の教師をしていました。
二枚目の素敵な先生で慕われていたそうですが,検診で肺結核が発見され,休職を余儀なくされました。
昭和27年,東京の東村山の病院に入院し,療養生活の中で句会に参加したり俳誌に投句しました。
今日の句はそのころの一句でしょうか。窓とは病室の窓かもしれません。
病室で読むチェーホフ。
窓の外では落葉が降り続けています。
「無心に」とありますが,葉に心はありません。
この場合は「ひたすらに」とか「無邪気に」くらいの意味だと思われますが,むしろ藤沢さんのほうが「無心に」チェーホフを読んでいるのかもしれませんね。
では,英訳してみます。
落葉無心に降るやチエホフ読む窓に 藤沢 周平
Leaves are falling
Innocently out of the window
I'm reading Chekhov
チェーホフの短編では「中二階のある家」が大好きです。
藤沢さんの短編にも何かのヒントになっているのかな。
この二人を結びつけたことはありませんでした。
仙台市泉区古内に賀茂(かも)神社という神社があります。
これは先週の賀茂神社の鳥居。

真っ赤になった楓の葉がきれいです。

これは昨日の別の通り。歩道や路上には落葉が積もっています。

季語で言えば,「紅葉」は秋の季語。「落葉」は冬の季語です。
落葉無心に降るやチエホフ読む窓に 藤沢 周平
(おちばむしんにふるやチエホフよむまどに)
藤沢周平(1927-1997)は山形県鶴岡市出身の小説家。

小説家になる前は療養生活の中,北邨という俳号で句作しました。
今日の句は坪内稔典著「俳句いまむかし」より。

俳句いまむかし - 坪内 稔典
私は藤沢さんの小説の熱心な読者ではありませんが,「橋ものがたり」の中の「約束」という短編が好きです。

橋ものがたり 新装版 - 藤沢 周平
藤沢さんは戦後,山形師範学校を卒業し,山形県内の中学校で国語と社会の教師をしていました。
二枚目の素敵な先生で慕われていたそうですが,検診で肺結核が発見され,休職を余儀なくされました。
昭和27年,東京の東村山の病院に入院し,療養生活の中で句会に参加したり俳誌に投句しました。
今日の句はそのころの一句でしょうか。窓とは病室の窓かもしれません。
病室で読むチェーホフ。
窓の外では落葉が降り続けています。
「無心に」とありますが,葉に心はありません。
この場合は「ひたすらに」とか「無邪気に」くらいの意味だと思われますが,むしろ藤沢さんのほうが「無心に」チェーホフを読んでいるのかもしれませんね。
では,英訳してみます。
落葉無心に降るやチエホフ読む窓に 藤沢 周平
Leaves are falling
Innocently out of the window
I'm reading Chekhov
チェーホフの短編では「中二階のある家」が大好きです。
藤沢さんの短編にも何かのヒントになっているのかな。
この二人を結びつけたことはありませんでした。
この記事へのコメント
藤沢周平さんの作品はどれも大好きで、私に本棚にも何冊か収まっているのですが、「橋ものがたり」は無かったです。読んだつもりでいたのですが、読んでいなかったようですね。早速注文しようかな。美しい、珠玉の小品ばかりだと聞きますので。
藤沢周平氏の俳句は、全く知りませんでした。
本は、数冊読みましたが 原作の映画の方が多いですね。
留萌の沖を 海坂と言って(笑)句作したり
藩の舞台になっている鶴岡市は、
亡母の故郷でもあり 常に海坂藩を想っていました。
こんにちは。返事がこんなに遅くなってすみません。
藤沢周平さんはどんなところから物語を発想したのでしょう。読んでみると江戸の人も現代の人も同じなんだなあと感じます。それだから読み継がれているんでしょうね。
こんにちは。返事が遅くなってすみません。やっと書くことができそうです。
藤沢さんの小説に出てくる架空の「海坂藩」の名前は肺結核で療養していた時に投句した静岡の俳誌「海坂」にちなむそうですから,俳句のことはずっと心の中にあったのでしょうね。